春の心のトラブル、それは「誰でも起こりうること」
「なんとなくやる気が出ない」
「職場に行くのがしんどい」
毎年、ゴールデンウィーク明けにそんな気持ちが強くなる…それは“五月病”のサインかもしれません。
五月病は、新年度のスタートを経て、心身のバランスが崩れることで生じる一時的な適応障害の一種です。
特に、新しい環境に馴染もうと頑張りすぎた人ほど、気づかぬうちに疲労やストレスが蓄積していることがあります。
「自分は気合いが足りないのかな…」
そんなふうに自分を責める前に、まずは「どんな人が五月病になりやすいのか?」その傾向を理解することが、対策の第一歩になります。
五月病になりやすい人の共通点とは?
五月病になりやすい人には、いくつかの傾向が見られます。
性格や生活習慣、人間関係の築き方まで、さまざまな要因が複雑に絡み合っているのです。
完璧主義な人:自分に厳しすぎる努力家タイプ
「もっと頑張らないと」
「失敗は許されない」
そんな思考に陥りやすい完璧主義者は、目に見えないプレッシャーを自分にかけ続けています。
最初は高いモチベーションで突き進むものの、思い通りにいかない現実や、周囲との差異に疲弊しやすく、ゴールデンウィーク明けに“心のガス欠”が起こりがちです。
対策ポイント:
- “60点合格”を自分に許す
- 小さな達成感を積み重ねる習慣を持つ
環境に敏感な人:人間関係や空気に疲れやすい
職場や学校での人間関係に敏感な人ほど、周囲との距離感や空気感に強く影響を受けます。
特に新しいコミュニティでは、「うまくやらなきゃ」「嫌われたくない」と思い詰めやすく、自分らしさを押し殺してしまうことも。
対策ポイント
- 無理に“いい人”を演じない
- 自分の感情に正直になる時間を持つ
変化に弱い人:新しい環境に馴染むのが苦手
人は誰しも変化にストレスを感じますが、特に“ルーティン重視”で安定を好むタイプの人は、新生活に伴う変化に強い不安を覚えがちです。
「新しい仕事の流れが覚えられない」
「職場の雰囲気がまだつかめない」といったストレスが溜まり、やがてモチベーションの低下につながります。
対策ポイント
- 変化を段階的に受け入れる工夫をする
- 自分のペースで進むことを自分に許可する
頑張りすぎる優等生タイプ:無理をしてでも期待に応えようとする
「期待されているから」
「頼られているから」
そんな思いから、自分の限界を無視してまで動き続ける“優等生タイプ”は、周囲からは順調に見えても、内側では大きな負担を抱えていることがあります。
対策ポイント
- 自分の“頑張りライン”を見直す
- 頼られることと無理をすることは別と考える
孤独を感じやすい人:相談できる相手がいない
新しい環境で孤立感を感じやすい人は、ストレスを言葉にして吐き出す機会が減り、心の中に不安を溜め込みがちです。
「誰にも話せない」
「自分だけがつらい」と思い詰めると、心がどんどん閉じてしまいます。
対策ポイント
- 相談できる“話し相手”を意識的に作る
- SNSやカウンセリングなど、外部の支援も活用する
あなたもあてはまる?セルフチェックリスト
以下の項目に、あなたはいくつ当てはまりますか?
3つ以上なら、五月病の予備軍かもしれません。
✅ 休み明け、朝起きるのがつらい
✅ 最近、好きだったことに興味が持てない
✅ 職場(学校)に行くのが億劫に感じる
✅ 自分ばかりが空回りしていると感じる
✅ 食欲や睡眠に変化が出ている
✅ 「こんな自分、情けない」と思うことがある
五月病にならないために、今からできる3つの習慣
生活リズムを整える
まずは、朝日を浴びて同じ時間に起きることから。
睡眠・食事・運動のリズムを整えることで、自律神経が安定し、心の調子も保ちやすくなります。
「心の言語化」を習慣にする
不安や焦りは、心の中に閉じ込めておくと大きくなります。
日記をつける、信頼できる人に話す、カウンセリングを受けるなど、心の状態を言葉にすることで、客観的に自分を見つめることができます。
“自分にやさしい選択”を意識する
仕事や勉強だけでなく、リラックスする時間を意識的に設けましょう。
アロマ、音楽、散歩、読書など、自分が心地よくなれることを積極的に取り入れることが、心の安定につながります。
自分の傾向を知れば、心を守るヒントが見えてくる
五月病は、性格や思考のクセによって“なりやすさ”が変わるもの。
大切なのは、「どうして自分は疲れやすいのか」「どこで無理をしているのか」に気づくことです。
「ちょっと休もうかな」
「今日は自分を甘やかしてもいい日」
そんな小さなやさしさが、あなたの心を守る大きな力になります。